
名前に「ヘビ」の二文字が入ってはいるが、その正体は尾の長いトカゲだ。小さくてスリムな体形で性質もおとなしく、手でつかまえてもじっとしている。
しかし、その顔をよく見てみると、さながら恐竜のような迫力のある面構え。その小さな体のなかに、はるか古代の恐竜たちの遺伝子が脈々と受け継がれていると思うと、ますます好きになってしまいそうだ。
もう10年も前のことだが、 家の中に仕掛けたねずみ取りの粘着トラップにニホンカナヘビが誤って捕らえられてしまっているのに気がついた。かわいそうにと思いながらも、忘れてしまっていたある日、当時幼稚園の息子が「お父さん、カナヘビさんの心臓がうごいとるで!
助けてあげてえな」と叫んでいる。「うっそ〜」と思いながらよく見ると、確かに生きている。そこで、親子で「カナヘビ救出作戦」が始まった。
皮膚を傷つけないように、ていねいにピンセットで粘着ノリを分離していった。2時間ぐらいかかっただろうか。ようやくカナヘビは自由を取り戻し、庭木の下に消えていった。
小さな命の動きを見逃さない子どもの目に教えられた日のことは忘れられない。
ふだんはエサにしている昆虫やクモをねらって草むらを歩き回っていることが多い。 |